任意整理は経済状況が安定しているのが大前提です

任意整理は、裁判所に法的手続きをする必要がなく、また個人で行う事が可能であり、ある意味、利用しやすい解決方法と言えるかもしれません。しかしながら、次の通り、幾つかの大切な条件をクリアしなければなりません。

• 1.原則的に3～5年間の期間で完済出来る見込みがある事
• 2.現在から将来に渡って、安定的な収入を継続的に得る事が可能である事
• 3.全額返済が完了するまで、継続して誠実に返済を実施する意思がある事
• 4.仮に現在、失業中だったとしても、それが一時的な状況である事

以上の諸条件より、経済状況における「深刻度」が、比較的低いと判断される場合にのみ、債権者の同意を得て任意整理を適用する事ができます。

余裕を持って返済できる反面、総支払額が増えます

メリット

長期分割払いであり、毎月の返済額を返済可能な金額に設定するため、経済的・心理的に余裕を持って返済を行う事が可能になります。また、これまでに利息を支払い過ぎていた場合には、元本減額もしくは過払い金の返還が行われる事となります。なお裁判所を通さずに行われるため、官報記載や資格制限といった措置が取られません。

デメリット

債務者側の要望を債権者側が受け入れない場合や、債務者に不利な条件を債権者側から提案される場合があり得ます。特に専門家に依頼せずに個人が行う場合においては、交渉がスムーズにまとまらない可能性があります。また、金融業者間における、いわゆる「ブラックリスト」に記載される可能性が高く、たとえ債務返済を終えたとしても、その後数年間（5年間が目安）は、金融機関から融資を受ける事が難しいと考えられます。