住宅ローンの滞納が4ヶ月以上に及ぶと金融機関からの法的措置が厳しくなります。「期限の利益喪失通知」と「代位弁済通知」が届くようになります。「期限の利益喪失通知」とは、ローン契約に基づいていた分割払いの権利が失われ、残りのローン残債を一括で支払う義務が発生したことを借り手に告知する文書です。これは、ローン契約が破綻し、金融機関がもはや分割での支払いを受け入れないことを意味します。
「代位弁済通知」とは、借り手が住宅ローンを返済できない時、保証会社が金融機関に代わってローンを支払うことです。その後、保証会社は借り手に対して、支払った金額の一括返済を求める権利を有します。この場合、借り手は保証会社に対して、ローンの残額全てを一括で支払う必要が出てきます。これらの通知を受け取ると、借り手は通常、数千万円という大金を一括で用意することが求められます。
多くの場合、これは借り手にとって非常に難しいことであり、結果として自宅を売却するという選択を迫られることになります。自宅売却が返済に足りない場合や、売却が間に合わない場合には、金融機関は不動産を競売にかけることで債権を回収しようとします。
競売とは、裁判所が介入して不動産を市場価格よりも低い価格で売却する手続きのことで、借り手にとっては多大な損失を意味します。このような状況に至らないように、滞納が発生した初期段階で金融機関に相談し、返済計画の見直しを求めるなどの対策を講じることが重要です。財務状況の悪化には迅速に対応し、可能な限り早期に解決策を見つけるべきです。

期限の利益喪失通知が来るとローンの一括請求が求められます

「期限の利益喪失通知」とは、住宅ローンに関する非常に重要な法的文書です。これは、金融機関が住宅ローンの返済が滞っている顧客に対し、特定の期日までに滞納している金額全てを支払うよう求める通知です。この通知の文言「ローンを分割で支払う権利を失う」というのは、もし指定された期日までに滞納金が支払われなければ、借り手は住宅ローンの残りの金額を一括で支払う義務が発生するという意味です。
「期限の利益」とは、ローン契約に基づく、定められた期間内に分割払いができるという借り手の権利のことを指します。この権利が「喪失」するということは、分割払いの条件が無効になり、金融機関はローン残高全額の即時返済を要求することができるようになるということです。期限の利益喪失通知は、通常、数回の督促や警告の後に送られます。最初に来るのは「最終督促」と呼ばれるもので、これは借り手が滞納を解消しなければ、期限の利益喪失が近いことを警告するものです。
次に、「期限の利益の喪失予告」という通知が来ます。これは、もう少し具体的な警告で、期限の利益の喪失が実際にどうなるかを説明します。これらの通知を受け取った場合、借り手は速やかに行動を起こさなければなりません。支払いができない場合、金融機関は法的な手続きを進め、不動産の競売を通じてローン残債を回収することができます。

代位弁済通知によって今度は保証会社から返済要求をされます

「代位弁済通知」とは、住宅ローンの支払いを保証する会社、すなわち保証会社が、借り手(債務者)の代わりに住宅ローンの未払い分を金融機関に支払ったことを借り手に通知する文書です。この通知は、郵便はがきの形式で届くこともあれば、より公式で法的な効力を持つ特別送達によって届けられることもあります。保証会社が代位弁済を行うというのは、単に金融機関と借り手との間の債務関係に第三者が介入したことを意味します。借り手は金融機関に対する直接の債務を清算したわけではありませんが、保証会社に対しては同じ金額の支払い義務が生じます。保証会社からの請求に応じて支払いを行わない場合、保証会社は借り手の不動産を競売にかけるなどの措置を取ることが可能です。加えて、代位弁済が行われた際には、その支払われた金額に対して遅延損害金が発生します。遅延損害金とは、契約で定められた支払いが遅れたために、その遅延期間に対して計算される追加の費用のことです。この金額は、元の住宅ローンの契約条件に基づいて計算され、未払いのローン残高に日割りで加算されます。

どうしても自宅を売却したくないなら買い戻し

自宅を失いたくないという状況で、特に競売を避けたい場合、家族間での不動産取引として「買い戻し」という方法があります。これは、競売プロセスが始まっている家を親子や親族が入札に参加して買い取ることを指します。この手法は「親子間売買」あるいは「親族間売買」と呼ばれ、法的に認められた手続きです。親子間売買では、親族が新たに住宅ローンを組んで、競売にかけられる前に不動産を購入します。これにより、家族が住み続けることができる可能性がありますが、新たに組む住宅ローンの金利が市場平均よりも高くなるリスクがあります。金融機関は、この種の取引におけるリスクを考慮して金利を設定するためです。買い戻しを行う場合、家族の誰かがローンの資格を満たし、返済能力があることが前提となります。金融機関は、新たな借り手が以前のローンと同じ運命に陥らないことを保証するために、通常のローン申請者と同様の審査を行います。4ヶ月以上の住宅ローン滞納が発生した場合、代位弁済や競売になる前に任意売却を行う選択肢もあります。
任意売却は、金融機関の了承を得て、不動産を市場で売却し、得られた資金でローンの残債を清算する方法です。ただし、任意売却には時間がかかる場合があり、迅速な行動が求められます。いずれの選択肢を選ぶにしても、早期に専門家に相談することが重要です。専門家は、住宅ローンの滞納に対処するための選択肢を検討し、最適な解決策を提案することができます。

体験者の声

VOICE