相続税 不動産の節税策 生前対策 購入①

生前対策として、現金を建物に替えて評価額を下げる方法は、相続税の節税を目的とした有効な手段の一つです。この方法の基本的な考え方は、現金などの評価額が高く、相続税がかかりやすい資産を、相続税の評価額が比較的低い資産に替えることです。特に、土地や建物の評価額に関しては、相続税の計算で重要な要素となりますので、賢く資産を移動することが可能です。

1. 現金を建物に替えて評価額を下げる方法

現金を建物に替えることで、相続税評価額を下げる仕組みは次のように働きます。

(1) 現金の評価額がそのまま課税対象となる

現金は相続財産としてそのまま評価額が課税対象になります。現金の評価額は、額面通りですから、例えば1,000万円の現金があれば、そのまま1,000万円が相続税評価額となります。

(2) 建物の評価額が現金より低くなる場合がある

一方で、建物は相続税評価額が現金に比べて低くなることが多いです。建物の評価は、土地と異なり、構造や築年数、所在地などによって決まるため、建物の評価額は現金よりも低く設定されることがあります。特に、建物の築年数が古くなれば、評価額が低くなるため、建物に変えることで、相続税が軽減される可能性があります。

  • 例えば、現金1,000万円を使って築年数が古い建物を購入した場合、その建物の相続税評価額は1,000万円未満になる可能性があるため、相続税の負担を軽減できます。

(3) 建物の耐用年数の影響

建物には耐用年数が設定されています。耐用年数が長いほど、建物の評価額は低くなる傾向があります。例えば、新築の建物を購入した場合、評価額が高くなる可能性もありますが、古い建物や、長期にわたる減価償却が進んだ建物を選ぶことで、評価額をさらに抑えることができます。

2. 土地と建物をセットで評価額を下げる方法

現金を建物に替えた後、さらに土地を購入して、現金から土地建物のセットへと変換する方法もあります。土地は、建物と一緒に評価されることが多く、土地の評価額を下げることも可能です。

(1) 小規模宅地等の特例の活用

土地については、小規模宅地等の特例を活用することで、相続税評価額を大きく下げることができます。この特例を適用すると、相続する土地の評価額が最大で80%減額される場合があります(特定の条件を満たす場合)。例えば、親の家を相続する際にその家の土地に対してこの特例を適用することができれば、相続税を大幅に軽減することができます。

  • 現金を土地に変え、住宅を建てることで、相続の際に適用できる特例をうまく活用できることもあります。

(2) 土地の評価額を下げる方法

土地の評価額は、広さや形状、路線価などに基づいて算出されます。相続税評価額を下げるためには、土地の評価が高くなりにくい場所に建物を建てることが重要です。また、形状や利用目的によって評価額が変わるため、土地選びにも工夫が必要です。

3. 現金から不動産に替える際の注意点

(1) 贈与税と譲渡所得税

現金を建物や不動産に替える際、贈与税譲渡所得税が課される可能性があります。たとえば、親から子への贈与を行い、現金でなく不動産を購入する場合、贈与税が課税されます。また、不動産を売却して新たに購入する場合、譲渡所得税がかかることもあります。これらの税金についても事前に考慮しておくことが重要です。

(2) 資産の流動性の低下

現金は流動性が高いですが、建物や不動産は流動性が低くなります。現金を不動産に替えた場合、後々、現金が必要になった際に不動産を売却する必要があるため、資産の流動性が低下します。これが不便に感じる場合もあるので、将来の生活資金のニーズに応じて計画することが大切です。

(3) 不動産の管理負担

建物を購入すると、その後の管理や維持費が必要となります。税金や保守費用などのコストもかかるため、建物の維持管理に対する負担が増す可能性があります。また、築年数が経過すると、修繕が必要になることもありますので、コスト面も考慮する必要があります。

4. まとめ

現金を建物に替えることで、相続税の評価額を下げる方法は、生前対策として非常に効果的ですが、いくつかの注意点もあります。特に、贈与税や譲渡所得税、将来の資産運用における流動性や維持管理の負担に関して十分に検討することが重要です。税理士や不動産の専門家と相談し、最適なタイミングで、適切な方法で資産を移転することを検討することが大切です。